内からのアンチエイジングは、まず生活習慣病の検査・治療から
・ 主治医の、数値によるコントロールが必須条件
・ 特に中高年の女性は骨粗しょう症も念頭に
・ 美容、脳の老化などに関連するサプリメントやプラセンタ(胎盤)注射もアドバイス
主治医の、数値によるコントロールが必須条件 特に中高年の女性は骨粗しょう症も念頭に
アンチエイジング(抗加齢)という言葉が流行語のようになり、何か特別の方法でもあるかのように、健康食品、サプリメントなどが注目を浴びているが、アンチエイジングは生活習慣病のコントロールぬきでは語れない。肌もこころもいつまでも若く保つためには健康体であることがまず基本である。この分野は内科医が最も得意であり、またそうであるべきだ。
生活習慣病とは糖尿病、脂肪肝、高血圧、高脂血症、メタボリックシンドローム(注参照)などのことをさし、脳梗塞や心筋梗塞など生命に関わる病気と密接に結びついている。生活習慣病のコントロールの仕方は自分の納得する方法をお勧めしている。薬、食生活の見直し、適度な運動や何か好きなサプリメントがあればそれをとり、それらを組み合わせるのもいい。
大事なことはどのような方法であれ、きちんとした数値で結果を出すことである。なぜならこれらのコントロール目標の数値についてはすべて統計的に裏打ちされており、客観的に評価されている。これらの数値は当然のことであるが主治医の存在なくして得られない。数値で判断される生活習慣病をコントロールしつつ試みることが、本来のアンチエイジングといえる。
数値のコントロールといえば、骨密度も数値で評価できます。高齢者の寝たきりの原因の第2位は骨粗しょう症による骨折です。そうならないように日頃から骨を丈夫に保つこともひとつのアンチエイジングです。その為には運動やスポーツなどまたは日常生活において体を良く動かすことです。
そして乳製品や小魚などカルシウムの豊富な食品などをきちんと摂取することも必要でしょう。しかし大事なことはそれらの努力の評価です。
骨密度を保つには、骨芽細胞(骨を作る細胞)と破骨細胞(骨を壊す細胞)のバランスが重要です。特に中年以降の女性は破骨細胞の勢いが優位になる傾向があり、それは尿検査などで解かります。身長がどんどん縮んだり、背中が曲がってきたり、腰痛などが出てこないうちに骨粗しょう症が心配な方は検査することをすすめます。その数値によっては薬剤治療を開始します。
美容、脳の老化などに関連するサプリメントやプラセンタ(胎盤)注射もアドバイス
そのような基礎の上に、いつまでも若さを保ちたいのは誰もが望むことである。そのためには、シミやしわなどの肌の老化をおさえ、脳の老化のスピードを遅くし、疲れをためない、足腰を鍛える、などが必要であるが、その評価には数字の基準がなく、医薬品がもっとも苦手な分野である。しかもいまの医療情勢を考えると、この領域の保険医薬品の進歩は望めない。国に頼らないでよりしっかりした信頼できる健康食品などを自分で探すことになる。
この領域のアドバイスこそ、私が臨床で培った経験や各分野の医療情報の収拾力から、私には適任であると自負している。プラセンタ注射、サプリメントには大変興味があり、私が可能性のあると感じているものも少しではあるがある。どんな目的で健康食品、サプリメントを利用し、またそれをいかに評価するかを患者さんに納得してもらいます。その際には、大体3か月を目安にその効果判定を一緒にすればいいと思う。3か月というのは身体の細胞の代謝を考えてのことである。
美容外科のめざすアンチエイジングは確立されつつある別の次元の手法で、私は身体の内面からのアンチエイジングにこだわりたい。
(注)メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)とは
脂肪が溜まるという場合2つの溜まり方がある。ひとつは下腹部、腰のまわり、太もも、おしりのまわりの皮下に脂肪が蓄積するタイプで「皮下脂肪」と呼ばれ、主に体の外側につき、「最近太ったね」と呼ばれる時の脂肪。もうひとつは「内臓脂肪」と呼ばれ、内臓の周りにつく。
最近この、内臓に脂肪のつく内臓脂肪が、「動脈硬化」と深く関連していることがわかり、内臓脂肪に関連して引き起こされる病態としてメタボリックシンドローム(メタボリック症候群 Metabolicは「新陳代謝に関する」の意)がある。
この概念は 「生活習慣病」という言葉と同様に、最近言われ始めた考え方である。
次の5項目のうち3つ以上あると、メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)と考えられる。
1. へそ周りのウエスト周囲径が、男性の場合は、85cmより大きい、女性の場合は90cmより大きいこと。(ウエスト周囲径というのは、腰のもっとも細いところではなく、へそ周りであることに注意)
2. 血圧が、130/85mmHgより高い。
3. 空腹時の中性脂肪の数値が、150mg/dLより高い。
4. 空腹時血糖が、110mg/dLより高い。
5. HDLコレステロール値が、40mg/dLより低い
この5つのうち3つ以上あると、内蔵脂肪を減らす必要があり、それによって、「肥満症」、「高血圧」、「糖尿病」、「高脂血症」などの予防や治療に大きな力になると考えられる。
「内臓脂肪」を減らすことは、意外にも多くの皆さんが気にされる「皮下脂肪」を減らすことより簡単で、少しの努力で改善する。日々の食事や運動を心掛けるだけでもそれなりの結果につながる。
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